よくある質問を下に掲載いたしました。
是非こちら からお気軽にお問い合わせください。
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遺伝することもあります。
私たちは両親からひとつずつ遺伝子を受けとります。その受け取る遺伝子の両方に変異があるとシトリン欠損症になります。受け取る遺伝子の片方のみに変異がある場合はシトリン欠損症にはなりません。
💡これはこの変異を持つ遺伝子は特徴が出にくく(=潜性(せんせい) 遺伝(旧 劣性遺伝))、変異を持たない遺伝子の形質に隠されるからです。
例えば下の図のように両親それぞれが一つの変異を持っている場合は1/4の確率でシトリン欠損症となり、3/4の確率でなりません。
現在日本人のシトリン欠損症患者(変異が二つ)は4,350人に1人といわれ、日本人では28,000人以上の患者さんが推定されます。また、保因者(変異が一つ)は33人に1人と考えられています。保因者は決してまれではありません。
三大栄養素であるタンパク質(Protein): 脂質 (Fat) : 炭水化物 (Carbohydrate)から摂るエネルギー(カロリー)の割合の比。重量の比でありません。
成分表に載っている重量(グラム)からエネルギー(カロリー)に変換して比を求めます。
タンパク質1g=4kcal、脂質1g=9kcal、炭水化物1g=4kcal
*食品により炭水化物1g=約3.85~4.2kcalの幅があります。
*エネルギー(カロリー)はこの三大栄養素のみから作られます。
成分表 (g) | エネルギー(カロリー)換算 | P:F:C | |
---|---|---|---|
エネルギー | 132 kcal | (全体 132 kcal) | (全体 100) |
– タンパク質 | 6.6g | 26.4 kcal | 20 |
– 脂肪 | 7.4g | 66.6 kcal | 50 |
– 炭水化物 | 9.7g | 38.8 kcal | 30 |
成分表 (g) | エネルギー(カロリー)換算 | P:F:C | |
---|---|---|---|
エネルギー | 168 kcal | (全体 168 kcal) | (全体 100) |
– タンパク質 | 2.5g | 10.0 kcal | 6 |
– 脂肪 | 0.3g | 2.7 kcal | 2 |
– 炭水化物 | 37.1g | 155.3 kcal | 92 |
食欲がない時はなんでも欲するものを食べてください。状態が改善しない場合や何も口に入らないようでしたら深刻な低血糖をおこす可能性がありますので早めに医療機関を受診してください。
本では20:50:30とされています。栄養計算は毎食しなくてもよいです。
患者のその日の状態や前日の食事などにもよりますが、大方食べたいと思うものを食べていれば栄養バランスは自然に保たれると言われています。岡野善行先生の研究によるとシトリン欠損症患者のエネルギーと三大栄養素摂取の考察日本人シトリン欠損症患者の食事のPFC比は平均20:50:30です。
食材の量や種類、調理法の組み合わせで1回の食事のメニュー全体でバランスを取ることができれば理想です。食材や調理法(揚げ物↔焼き物)、油の量などである程度調節する事ができます。
体調に特に問題のない日は食べたいと思うものを食べたいと思う量食べると自然とバランスの取れた栄養を摂ることができます。
ただ何らかの理由で1回の食事内のPFCのバランスが傾く場合、例えば昼食に炭水化物を摂り過ぎたときは患者自身が自然と夕食で炭水化物をほとんど取らない、ということや逆に足りていない場合夕飯でいつもは食べないご飯を欲する、というように無意識に均衡を取ろうとする事が多くあります。このような場合は注意深い観察のもとで、患者自身に任せることが大切です。通常は保護者や周りが判断せず、患者が食べたいと思う量で完食、としましょう。
注意点:体調不良などで自己防衛機能が崩れ、炭水化物(糖質)を一度に大量摂取(飴一袋分など)した、または生活の変化で好まない量の炭水化物を長い間摂っていたためにCTLN2を発症した症例があります。炭水化物の摂り過ぎには注意が必要です。
また、食事記録等で栄養士に栄養計算をしてもらい、定期的に見直しを行うことは大切です。
なぜMCTの摂取が必要なのでしょうか?
シトリン欠損症患者はその代謝機能から炭水化物からエネルギー(カロリー)を作り出すことが難しいため、炭水化物を自然と好まず、その代わりのエネルギー源として脂質やタンパク質を多く含む食べものを好みます。しかし長鎖脂肪酸と呼ばれる大抵の脂質は将来的に健康に影響を及ぼす可能性は否定できません。またタンパク質からはエネルギーを効率よく作ることができません。
MCT(中鎖脂肪酸)は長鎖脂肪酸とは違い、肝臓へ直接エネルギーを与えることができます。これは肝臓でのエネルギーが足りないシトリン欠損症患者にとっては効果的であると考えられます。
MCTは食べ物にはあまり含まれていないためMCTオイルやMCTパウダーを食事に導入する事が推奨されます。
- 体重1kgに対し1g(熊本大学大学院生命科学研究部小児科学講座 中村 公俊 教授)
- 下痢等を伴う場合は量を調整してください。
- MCTの使用につきましては医師とご相談ください。
MCTの使用方法
- NICCD患者にはMCTフォーミュラの使用 又は 通常のフォーミュラや母乳にMCTを加えることが推奨されています。追加するMCTの量につきましては医師にご確認ください。
- NICCD以降、MCTオイルは三食と共に食事に使用しましょう。
- 使用例:
- スムージーやその他飲み物とブレンドする。
- サラダや蒸し野菜にかける。
- 汁物に混ぜる。
- パンをひたす。
- 使用例:
お肉・お魚中心で、卵・乳製品・豆類や野菜等を加え、ご飯(米)・パン・麺類などは食べられる量だけ。好みによりますが塩コショウのシンプルなものが好きです。
おかずは倍、ご飯は半分、が目安ですが、好むものを好む量食べられるように用意してあげると喜ばれます。以下は一般的な量と比べたシトリン欠損症患者の食事の量です。患者さんの年齢や体格、その日の活動内容・体調、嗜好等により、調整してください。
- ごはん・パン・麺など – 1/3~1/2
- 肉・魚・卵・大豆製品 – ×2~3
- 牛乳や乳製品 – ×2~3
- 野菜・きのこ・海藻など – 同等
- いも・果物など – 1/3~1/2
- 油・種実など – ×2~3
- 砂糖・みりんなど – ~0
- 菓子 – 1/3~0
具体的なメニューはレシピ集をご参考ください。
甘さには非常に敏感で苦手としますので、調味料として砂糖やみりん、みそが多く使われる食事は好まず、塩コショウの味付けが一番好まれる傾向にあります。料理酒はアルコール成分が飛んでいれば問題なく食べる患者さんとそれでも好まない患者さんがいます。
間食には和菓子・せんべい・ケーキ・クッキー・キャンデーなどは好まれないことが多く、その代わり牛乳・ヨーグルト・ゆで卵や、ソーセージ・するめ・チーズ・ナッツなどのおつまみ系が好まれます。
より詳しく食事の量や種類についてお聞きになりたい場合は栄養相談をお気軽にご活用ください。
少量でも重篤な状態になり得ます。
アルコール耐性はその人やその時の状態により変わりますが、少量でも異常行動や脳症を引き起こし命に係わる可能性が高いのがシトリン欠損症です。その一口がもたらす影響を十分に考えましょう。
医師の指示がない限り必要ではないことが多いです。
サプリメントといっても様々な種類がありますが、オルニチンなどのアミノ酸は体内で相互に変換しています。例えばオルニチンからシトルリンが作られたり、アルギニンは体内でオルニチンになったりする具合です。特にアミノ酸のサプリメントに関しては自己判断で摂取することはお勧めしません。
また鉄に関しては肝障害の原因にもなりえますので貧血などで医師の指示がない限りは余分に摂取しなくても良いでしょう。
大丈夫です!
ここにあるヒントをご参考に特に食生活に気を付け、定期的に診察と栄養相談を受け、新たな研究成果をお待ちください。
食事から摂るエネルギーが少ない事や生活の変化などによりエネルギーを普段より使っている、または病み上がりの時などで低血糖を起こしているかもしれません。まずエネルギーの補給が必要です。炭水化物を多めに含むものを摂るのであれば、一気に大量に摂るのではなく様子を見ながら摂り、牛乳、チーズ、ヨーグルト、カルパスなど他の補食も併用しましょう。
また食生活を見直し、3食+補食をとり、活動量が増える時は食事の量も増やし、常に十分な栄養を摂っているよう、心がけましょう。疲れがたまっている場合は、普段より多めに休養をとりましょう。
具合がなかなか良くならない場合や食欲が改善しない場合は、シトリン欠損症以外の原因があるかもしれませんので、迷わず医療機関に受診をしましょう。
そのような場合は普段シトリン欠損症で診察を受けている医師に必ずお伝えください。または医療機関に受診をしましょう。
小児期から小児科にかかっている場合は、小児科の主治医にご相談ください。
成人で新たに受診をする場合は代謝内科、消化器内科、神経内科などですが、成人を診察する医療機関の中にはまだシトリン欠損症という疾患名が浸透していない所もあります。お困りでしたらinfo@citrinfoundation.orgへご相談ください。
遠方へ引っ越しをされる場合は一度主治医にご相談ください。
一過性の意識障害、異常行動、痙攣、昏睡状態などで、初期診断はてんかんや統合失調症とされるケースもあります。
度合いにより薬物療法で治療は可能ですが、肝移植が必要なケースもあります。またアンモニア等の数値の安定を図る為に毎日の薬の投与は必要になります。
お酒が原因で成人発症II型シトルリン血症を発症した方は多くいます。耐性(お酒がどの程度飲めるか)は人それぞれであり、また耐性はその日の体内の状態によっても大きく変化します。これはほんの少量が患者さんの将来を大きく変えるかもしれないという事です。歯止めが効きにくくなる状況下で体内の状態によっても変化する自分の耐性を試すのは非常に危険です。周囲の人にもきちんと伝えましょう。
シトリン欠損症は日々の食生活と定期的な受診により改善や状態の安定が大きく見込める疾患です。調子が良くない日が続きましたらまず食生活を見直し、医師や栄養士にご相談ください。また今日この日も研究者はシトリン欠損症の治療の確立に向けて研究を進めています。