シトリン欠損症とは?
シトリン欠損症は遺伝的な代謝に関する体質で、二次性の尿素サイクル異常症のひとつです。患者の多くは米・パン・パスタ・甘いデザート等の炭水化物を多く含む食品を好まず、肉・牛乳などの乳製品・揚げ物・ナッツ等の脂肪やタンパク質を多く含む食品を好む傾向にあります。
シトリン欠損症は適切な食事の管理とシトリン欠損症をよく知る医師のもと定期的な診察を受ける事で多くの場合は通常の生活を送ることができます。
次のビデオでは、シトリン欠損症患者がよく直面する症状をいくつかご紹介しております。これらの症状がある方、またはシトリン欠損症の疑いがある方は、かかりつけの医師にご相談いただくか、当財団までご連絡ください:
シトリン欠損症の原因は?
私たちの体の中には約3万個の遺伝子があります。このそれぞれの遺伝子は色々なタンパク質を作り、それにより私たちの体の設計図が構成されています。
この中の一つにSLC25A13という遺伝子があります。この遺伝子は「シトリン」というタンパク質を作ります。このシトリンという名前のタンパク質は細胞しいては体のためにエネルギーを作る仕組みの一役を果たしています。シトリンは細胞内で活躍します。細胞内でシトリンは「細胞基質」という場所から「ミトコンドリア」という場所へ「グルタミン酸 」という物質を運び入れて、代わりにミトコンドリアから「アスパラギン酸」という物質を細胞基質へ運び出す仕事をしています。
シトリン欠損症とはシトリンを作るこのSLC25A13遺伝子になんらかの変化(変異)があり、シトリンが作られなかったり、通常とは異なるものが作られたりすることでシトリンの仕事が滞り、それにより体の中の一部の代謝機能が上手く働かなくなり、様々な症状を示すものです。
シトリン欠損症に関する遺伝子SLC25A13の変異を一つでも持つ人はアジア圏内の報告のある数国ではおよそ40人に1人と言われています。その変異を両親から片方づつ受け取るとシトリン欠損症となり、その人数は 1/40 x 1/40 x 1/4=6,400人に1人と言われます。 くわしくはこちら
シトリン欠損症の症状
シトリン欠損症はある成長過程において以下の症状を呈する事があります。
★ 新生児肝内胆汁うっ滞「NICCD」
時期: 出生後~1歳くらいまで
主な症状: 黄疸、胆汁うっ滞、白色便、体重増加不良、ガラクトース血症、低血糖、シトルリン血症
NICCD期がない方もいます。1歳頃に自然と解消する場合が多数ですが、まれに肝移植などの治療が必要な場合もあります。
★ 適応・代償(1歳以降)「見かけ上健康」期
時期: 1歳くらいから
主な症状: 成長障害、低血糖、疲労感、腹痛、脂肪肝
この頃から食事の好みが低炭水化物、高脂質と高タンパク質の食材・食事に大きく偏り、この好みは患者さんの大多数に見られます。これはシトリン欠損症患者にとって必要な食事のバランスです。
症状は上記の食事バランスや生活管理で緩和する場合が多く、CTLN2発症を防ぐためにも正しい知識と管理が非常に大切です。
★ 成人発症II型シトルリン血症「CTLN2」
時期: 成人で発症することが多いのですが、10代で発症することもあります。
主な症状:
- 再発性高アンモニア血症(アンモニア濃度の上昇)
- 精神神経症状:譫妄、攻撃的、過敏、多動、見当識障害、激越、眠気、記憶障害、振戦、痙攣、昏睡など
- 病状に応じた適切な治療が行われない場合、脳浮腫を発症し、死に至ることもある。
大多数の患者はシトリン欠損症にとって適切な食事や生活の管理をすることによりCTLN2を回避する事が出来ています。
時期 | 出生後~1歳くらいまで |
主な症状 | 黄疸、胆汁うっ滞、白色便、体重増加不良、ガラクトース血症、低血糖、シトルリン血症 |
NICCD期がない方もいます。
1歳頃に自然と解消する場合が多数ですが、まれに肝移植などの治療が必要な場合もあります。 |
時期 | 1歳くらいから |
主な症状 | 成長障害、低血糖、疲労感、腹痛、脂肪肝 |
この頃から食事の好みが低炭水化物、高脂質と高タンパク質の食材・食事に大きく偏り、この好みは患者さんの大多数に見られます。これはシトリン欠損症患者にとって必要な食事のバランスです。
症状は上記の食事バランスや生活管理で緩和する場合が多く、CTLN2発症を防ぐためにも正しい知識と管理が非常に大切です。 |
時期 | 成人で発症することが多いのですが、10代で発症することもあります。 |
主な症状 |
|
大多数の患者はシトリン欠損症にとって適切な食事や生活の管理をすることによりCTLN2を回避する事が出来ています。 |
注:全ての患者が以下全ての病状や症状を発症するわけではありません。例えばNICCDを発症する人もしない人もいます。適応・代償期の症状は様々で強弱も人それぞれです。CTLN2は適切な食事療法、生活習慣、定期的な診察を受けることにより回避できるとされています。症状の出方は身体状況、年齢、栄養状態によっても異なります。
🏴 詳しくは下のページにもあります。 シトリン欠損症とは?
現在の治療法
現在、シトリン欠損症患者の主な治療方法は、食事管理およびMCTの摂取です。治療の詳細については「生活の管理・治療」をご覧ください。
よくある質問
シトリン財団の活動とご登録
シトリン財団は今後より一層患者様に寄り添えるよう、色々なプログラムやイベントを計画しております。
☑ 患者様向けウェブサイト
- 皆様からのご意見ご感想を元に順次更新
- 新たな情報の掲載
- レシピの応募と追加掲載
- リーフレットの発送 要登録*(下記参照)
☑ 最新情報の発信 要登録*
- 日本国外の科学者・医師による最新の研究成果の発信
- 新規治療薬に関する情報
- 臨床試験参加の募集
要登録*:無料栄養相談を含むプログラムやその他イベントへのご案内、また最新の研究報告や治療法に関する情報発信につきましてはシトリン財団へのご登録が必要です。ご登録いただいたメールアドレスへご案内をお送り致しますので、ここよりご登録ください。
シトリン欠損症は希少疾患のため、一人でも多くの方のご登録がシトリン欠損症の解明へつながります。
いただいた個人情報は個人情報保護規定により保護されます。
その他登録制度・情報源
[小児慢性特定疾病情報センター]シトリン欠損症は医療費助成対象です。小児で助成を受けるには手続きが必要です。
https://www.shouman.jp/assist/
[難病情報センター]成人のシトリン欠損症の中で、一定の基準を満たす方は医療費助成対象です。
https://www.nanbyou.or.jp/ (「医療費助成制度」へお進みください。)
[シトルリン血症の会]シトリン欠損症には患者会があります。家族交流会も毎年開催されます。交流会では医師や研究者からのプレゼンテーションや質疑応答、患者家族間の情報交換をすることができます。
https://citr-pfg.net/
[JaSMIn]JaSMInは先天代謝異常症患者登録制度です。毎年セミナーが開催され、多くの医師も関わっている会です。ここでも様々な情報発信をしています。
https://www.jasmin-mcbank.com/
[小児慢性特定疾病情報センター]シトリン欠損症は医療費助成対象です。小児で助成を受けるには手続きが必要です。https://www.shouman.jp/assist/
[難病情報センター]成人のシトリン欠損症の中で、一定の基準を満たす方は医療費助成対象です。https://www.nanbyou.or.jp/ (「医療費助成制度」へお進みください。)
[シトルリン血症の会]シトリン欠損症には患者会があります。家族交流会も毎年開催されます。交流会では医師や研究者からのプレゼンテーションや質疑応答、患者家族間の情報交換をすることができます。https://citr-pfg.net/
[JaSMIn]JaSMInは先天代謝異常症患者登録制度です。毎年セミナーが開催され、多くの医師も関わっている会です。ここでも様々な情報発信をしています。https://www.jasmin-mcbank.com/