診断

診断

シトリン欠損症の診断は乳児の場合新生児マススクリーニングがきっかけになる場合と、 胆汁うっ滞 黄疸、白色便などの症状がきっかけになる場合があり、どのケースも遺伝子検査によりシトリン欠損症と診断されます。乳児期の診断は早期の治療のスタートを可能にします。

乳児期の症状はそれぞれ適切な治療を経て1歳ごろに自然と解消する場合が多数ですが、まれに肝移植などの治療が必要な場合もあります。

哺乳 

哺乳 

母乳には沢山の栄養が含まれますが、シトリン欠損症の赤ちゃんは母乳の成分をうまく代謝できません。そのため母乳のみの哺乳では赤ちゃんに十分な栄養を与えることが難しく、順調な成長を促すために特別なミルクの使用・併用が積極的に勧められます。

特別なミルク(「特殊ミルク」)とは乳児の成長をサポートするために、様々な症状に対応できるように作られたミルクで、色々な種類があります。日本ではシトリン欠損症では多くの場合、「必須脂肪酸強化MCTフォーミュラ」と呼ばれるミルクが使用されますがその他、「ガラクトース除去ミルク」など症状に合わせたミルクを使用する事が大切です。このようなミルクは医師が特殊ミルク事務局に申請をして医師経由で現在は無償で提供を受ける事が可能です。担当医師に是非ご相談ください。

*特殊ミルクを生産するには普通ミルクの数倍のコストがかかります。現在はミルク会社が社会貢献事業として無償で提供していますが、みなさんが今後も無償で提供を受けるようにするためにも無駄なく使用する事が重要です。

*MCTフォーミュラとは成分中の脂肪の多くをMCT(中鎖脂肪酸)に変えた粉ミルクです。MCTについて詳しい情報はこちらから。

離乳食 期~中 

離乳食 期~中 

MCTミルクをしっかり飲んでいる、またはMCTを十分に増補している場合はミルクからバランスの良い栄養を補うことができているため、食事の量が少ないこの時期は概ね月齢にあった一般的な離乳食、一般的な進め方で問題ないと考えられます。

一般的な離乳食は粥などの糖質が多いものから始めますが、離乳食後期頃、または一定して嫌がる様子など変化が見られるまでは同じように進めてください。

離乳食 中期~後期 

離乳食 中期~後期 

離乳食からのエネルギー(カロリー)摂取がだんだん増えてくるこの時期~幼児期にかけてお子様に変化が見られるようになります。例えば今まで食べていたかぼちゃやさつまいもを食べなくなったり、食べるご飯(米)の量が少なくなったりする様子が見られるようになります。

これは今まで主にミルクから摂っていた栄養(タンパク質・脂質・炭水化物)のバランスがシトリン欠損症に合ったバランスだったので特に表面に現れなかったシトリン欠損症の食の好みが、食事の量が増える事により全体的な栄養のバランスが変わり、表に出てくるようになったと考えられます。

シトリン欠損症の代謝システムでは炭水化物からエネルギー(カロリー)を摂ることが難しく(全く出来ないという事ではありません)、代わりに自然とタンパク質や脂質から多めのカロリー摂取をしようとします。このため炭水化物は少なめでタンパク質、脂質を多く含む食事を好むようになります。この「好み」は必要なエネルギーを確保できるよう自分で上手く調整をする、特別な機能です。

食事はお子様が好むものを与え、欲しがらない量の粥等の炭水化物類は無理に食べさせようとしないことが大切です。

離乳食の提案はこちらよりご覧ください。

離乳食に牛乳を材料として使用してアレルギーがないようでしたら1歳頃に成分無調整牛乳を食生活に取り入れると良いかもしれません。牛乳はシトリン欠損症患者にとって良い栄養バランスですので、大人になっても沢山飲まれる方が多くいます。また離乳食に粉チーズ、きな粉、すりごまなどを使用することもおすすめです。

必要な手続き

必要な手続き

*特殊ミルク:特殊ミルクの手続きに関しては主治医にご相談ください。

*小児慢性特定疾病情報センター:シトリン欠損症は医療費助成対象です。小児慢性特定疾病の医療費助成を受けるには以下のリンクをお読みになり、手続きを行ってください。
https://www.shouman.jp/assist/

その他の登録は シトリン欠損症とは? をご覧ください。